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定着率とは?離職率との違いや高めるための7つの方法を解説
近年、少子高齢化による労働人口の減少や採用競争の激化を背景に、優秀な人材をいかに定着させるかが、企業の持続的な成長にとって喫緊の課題となっています。
採用コストの増加、育成期間の長期化、組織力の低下といった問題に直面し、従業員の早期離職に危機感を抱いている経営層や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、まず「定着率」とは何か、その基本的な定義と、なぜ今これほど重要視されているのかについて解説します。
さらに、定着率を正確に把握するための計算方法や、日本企業における平均値、そして定着率が低くなる主な原因を明らかにし、最終的には定着率を向上させるための具体的な7つの方法をご紹介します。
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目次
定着率とは?
定着率とは、入社した従業員が一定期間、会社で働き続けている割合を示す指標です。この数値が高いほど、従業員が自社に満足し、長く活躍してくれている状態であると判断できます。逆に、定着率が低い場合は、組織内に何らかの課題が存在する可能性が考えられます。
定着率と離職率は対になる関係にあり、両者を合計すると100%になります。例えば、定着率が70%であれば、離職率は30%ということになります。
なぜ今、定着率が重要視されるのか
近年、多くの企業で「定着率」という指標が注目されています。その背景には、労働市場の変化や従業員の価値観の多様化があります。
【少子高齢化による労働人口の減少】
内閣府の発表によると、日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少傾向にあります。この傾向は今後も続くと予想されており、企業は人材の確保がますます困難になっています。
このような状況下で、せっかく採用した従業員に長く働き続けてもらうこと、すなわち定着率の向上が、企業の持続的な成長のために不可欠となっています。
【採用競争の激化】
労働人口の減少は、企業間の採用競争を激化させています。優秀な人材を獲得するためには、魅力的な労働環境を提供し、従業員が定着しやすい企業であることを示す必要があります。定着率の高さは、求職者にとって「働きやすい企業」という信頼性の証となり、採用活動においても有利に働きます。
【従業員の価値観の多様化】
現代のビジネスパーソンは、単に給与が高いだけでなく、ワークライフバランスの取れた働き方や、自身の成長、企業文化とのマッチングなど、多様な価値観を重視する傾向があります。企業は、こうした従業員のニーズに応えることで、人材を定着させることができます。
これらの要因から、定着率の向上は、採用コストの削減、生産性の向上、組織力の強化につながる重要な経営課題として認識されています。
定着率の計算方法と期間設定
定着率とは、入社した従業員が一定期間後にどれだけ会社に残っているかを示す割合です。この指標を把握するために、まず正確な計算方法と期間設定が重要となります。
定着率の計算方法
定着率の基本的な計算式は以下の通りです。
| 計算式 | 説明 |
| (〇年後の在籍人数 ÷ 〇年前の入社人数) × 100 | 〇年前の入社者に対して、〇年後に何人が残っているか |
例えば、ある年に50人の新卒を採用し、3年後に40人が在籍していれば、定着率は80%(40人 ÷ 50人 × 100)となります。
計算期間の設定
定着率を算出する期間は、企業によって異なりますが、一般的には年単位で計測されることが多いです。新卒社員の場合は、入社後3年以内や5年以内といった期間で算出されることもあります。組織の変化が激しい場合や、より詳細な分析を行いたい場合には、1年未満の短い期間で算出することもあります。
自社の状況や分析したい目的に合わせて、適切な計算期間を設定することが、定着率を正確に把握する上で不可欠です。
また、定着率には『特定の入社年度の社員が残っている割合』と『全社員の年間定着割合』の2つの見方があります。
定着率を高くするメリット
定着率が高い企業は、多くのメリットを享受できます。具体的には、以下のような点が挙げられます。
| メリット | 具体的な内容 |
| 採用・教育コストの削減 | ・新たな人材を採用・育成する必要性が減る ・採用活動にかかる広告費、採用担当者の人件費を削減 ・入社後の研修やOJTにかかるコストを削減 |
| 生産性の向上と組織力の強化 | ・経験豊富な従業員が増え、業務の質やスピードが向上 ・組織全体の生産性が高まる ・従業員間の信頼関係が深まり、部署を超えた連携がスムーズになる ・組織力全体の強化につながる |
| 従業員のモチベーション向上とエンゲージメント強化 | ・働きやすい環境が整備され、従業員の満足度が高まる ・仕事への意欲が向上する ・会社への貢献意欲(エンゲージメント)が向上する |
| 優秀な人材の確保と定着 | ・定着率の高さが外部からの評価につながる ・優秀な人材にとって魅力的な職場となる ・さらに優秀な人材の採用につながる ・既に在籍している優秀な人材の定着につながる好循環を生み出す |
これらのメリットは、企業の持続的な成長と競争力強化に不可欠な要素と言えるでしょう。
定着率が低くなる一般的な原因
従業員が定着しない背景には、いくつかの共通した原因が考えられます。要因を理解し、適切に対処することが、定着率向上の第一歩となります。
労働環境の問題
従業員が働きやすい環境を整えることは、定着率向上に不可欠な要素です。しかし、多くの企業で労働環境に課題が見られます。主な問題点としては、以下の点が挙げられます。
| 問題点 | 具体的な内容 |
| 低賃金 | 労働に見合わない賃金は、従業員のモチベーション低下や将来への不安につながります。 |
| 長時間労働 | 肉体的・精神的な負担が大きく、集中力低下によるミス増加や、過労死・うつ病のリスクを高めます。 |
| 人手不足 | 業務量の増加による従業員一人あたりの負担増、教育不足による自信喪失、離職といった負の連鎖を生み出します。 |
| 労働生産性の低迷 | 従業員のスキル不足やモチベーション低下が原因となり、給与の減少や長時間労働を招く要因となります。 |
これらの問題は、従業員の不満やストレスを増大させ、結果として離職率の上昇を招く大きな要因となります。
給与・評価制度への不満
従業員が「この会社で働き続けたい」と思えるかどうかは、給与や評価制度への納得感が大きく影響します。もし、従業員が「頑張っても給料が上がらない」「評価がどのように決まるのか不透明だ」と感じていれば、モチベーションの低下や早期離職につながる可能性があります。
【給与・評価制度への不満が発生する主な原因】
- 評価と給与の連動性の不明確さ: 従業員の能力や実績が、どのように給与に反映されるのか基準が明確でないと、納得感が得られにくくなります。
- 評価プロセスにおける不公平感: 評価者による主観的な判断や、評価者間のばらつきがあると、従業員は公平性を欠くと感じてしまいます。
- フィードバックの不足: 評価結果だけでなく、なぜその評価になったのか、今後どう改善すれば良いのかといったフィードバックが不足していると、従業員は自身の成長の方向性を見失いがちです。
- 評価者への不満: 評価者との人間関係や、評価者自身の能力不足も、評価への不満につながることがあります。
これらの不満を放置すると、従業員のやる気が低下し、組織全体の生産性に悪影響を及ぼすだけでなく、優秀な人材がより正当に評価される企業へと流出してしまうリスクが高まります。
業務内容や企業文化とのミスマッチ
入社後に「思っていた仕事と違う」「職場の雰囲気に馴染めない」といったミスマッチが生じると、従業員のモチベーション低下や早期離職に繋がる可能性があります。このミスマッチは、大きく分けて以下の2つの側面で発生します。
【業務内容のミスマッチ】
これは、企業が求めるスキルや能力と、応募者が持つスキルや経験との間に乖離がある場合に起こります。例えば、希望していた部署に配属されなかったり、入社後に任された仕事内容に興味を持てなかったりするケースです。
採用段階で、応募者のニーズやスキルを企業側が十分に把握し、適切な部署や職務に配置することが重要です。
【企業文化や働き方のミスマッチ】
応募者の性格と企業文化が合わないことで生じるミスマッチです。企業文化は数値化しにくく、入社前に正確に把握するのが難しい側面があります。
例えば、以下のような価値観や働き方の違いがミスマッチの原因となり得ます。
- 成果主義 vs. プロセス重視: 結果を重視する文化か、過程を評価する文化か
- トップダウン vs. ボトムアップ: 指示系統が明確か、現場の意見が尊重されるか
- ワークライフバランス: 残業や休日出勤の実態が、個人の価値観と合っているか
- チームワーク vs. 個人プレー: 協調性を重視するか、個人の裁量を尊重するか
これらのミスマッチを防ぐためには、採用活動において、企業の価値観や実際の働き方について、できる限り具体的に伝えることが不可欠です。面接やカジュアル面談などを通して、企業側と応募者双方の理解を深める機会を設けることが、定着率向上への第一歩となります。
コミュニケーション不足やサポート体制の不備
従業員が定着しない原因の一つに、コミュニケーション不足やサポート体制の不備が挙げられます。円滑なコミュニケーションは、従業員が安心して業務に取り組み、組織への信頼感を醸成するために不可欠です。
コミュニケーション不足が生じる主な原因は、以下の通りです。
| 原因 | 具体的な状況 |
| 情報共有の不足 | 部門間や上司・部下間での情報伝達の遅れ、経営層の決定事項が現場に正しく伝わらないなど。 |
| 接点の減少 | テレワークやハイブリッド勤務により、オフィスでの自然な雑談や気軽な相談の機会が減少。 |
| 心理的安全性の欠如 | 意見を言っても聞いてもらえない、失敗すると叱責されるといった経験から、発言をためらう雰囲気。帰属意識や「大切にされている」という感覚の不足。 |
| コミュニケーションツールの不適合 | 業務内容や特性に合わないツールを使用しているため、情報共有が非効率になったり、認識の齟齬が生じたりする。 |
これらのコミュニケーション不足は、業務指示の曖昧さや感謝を伝え合う文化の欠如、指示の頻繁な変更、相手の状況を配慮しない対応、成果の不当な評価、個人のキャリア目標に寄り添わない姿勢といった形で現れます。
結果として、従業員のモチベーション低下やストレス増加を招き、離職率の増加につながる恐れがあります。
日本企業における定着率の平均値
自社の定着率を把握する上で、他社や日本全体の平均値を知ることは重要な基準となります。ここでは、最新のデータに基づいた日本企業における定着率の平均値をご紹介します。
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、2023年の日本全体における定着率は85.0%でした。これは、1年間の離職率が15.0%であったことを示しています。
就業形態別に見てみると、以下のような違いが見られます。
- 正規社員(一般): 定着率 87.9% (離職率 12.1%)
- 非正規社員(パート): 定着率 76.2% (離職率 23.8%)
正規社員は長期雇用が前提となるため、非正規社員と比較して定着率が高い傾向にあります。
この平均値はあくまで参考であり、業界や企業規模によっても差が見られます。自社の定着率を把握し、これらの平均値と比較することで、自社の現状を客観的に分析できます。
定着率を向上させるための具体的な7つの方法
社員が長く活躍し続けるためには、組織全体で多角的なアプローチを行うことが重要です。以下に、定着率向上に効果的な7つの方法をご紹介します。
労働環境の改善
定着率を向上させるためには、まず従業員が安心して長く働ける労働環境を整備することが不可欠です。労働環境の改善は、従業員の満足度を高め、離職を防ぐための基盤となります。
労働環境における主な課題としては、以下のような点が挙げられます。
| 課題の項目 | 具体的な原因例 |
| 労働時間 | ・長時間労働が常態化している ・残業や休日出勤を断りにくい雰囲気がある ・個人の性格や出世志向による過度な残業 |
| 有給休暇の消化 | ・職場の雰囲気から有給休暇を取りにくい ・人手不足で休むと業務が滞る |
| その他の環境 | ・ハラスメントの存在 ・コミュニケーション不足 ・適切なサポート体制の欠如 |
これらの課題に対し、企業は具体的な改善策を講じる必要があります。例えば、労働時間の適正化、有給休暇取得の奨励、ハラスメント防止策の徹底、コミュニケーション活性化のための施策などが考えられます。
こうした取り組みを通じて、従業員一人ひとりが働きがいを感じられる環境を構築することが、定着率向上への第一歩となります。
給与・評価制度の見直しと透明化
従業員の定着率を高めるためには、給与・評価制度の見直しと透明化が不可欠です。評価が不透明な場合、従業員は「正当に評価されていない」と感じ、モチベーションの低下や不信感につながる可能性があります。
特に、Z世代は公平性や説明責任を重視する傾向があり、評価の根拠が明確でないと、早期離職の原因となりかねません。
評価制度の透明性を高めるためには、以下の点が重要です。
- 行動基準の言語化: 「主体性」や「協調性」といった抽象的な言葉ではなく、「期限前に進捗を共有し、改善策を自ら提案できる」といった具体的な行動レベルで評価基準を定義します。
- 期待役割の共有: 半期ごとなど定期的に、従業員一人ひとりに期待する役割を明確に伝え、共有します。
- 評価プロセスの見える化: 評価者会議の実施や、点数の付け方、加点・減点のルールなどを明確にし、社内で共有します。
- 評価結果の説明責任: 面談では、なぜその評価になったのか、具体的な根拠を丁寧に説明し、今後の改善点や期待する役割を伝えます。
これらの取り組みを通じて、従業員が納得感を持って働ける環境を整備し、定着率の向上を目指しましょう。
人員配置の最適化と業務ミスマッチの解消
従業員が「仕事内容が合わない」「自分のスキルを活かせていない」と感じることは、定着率低下の大きな原因となります。このミスマッチを解消し、定着率を向上させるためには、人員配置の最適化が不可欠です。
人員配置の最適化とは、従業員一人ひとりのスキル、経験、適性、そしてキャリア志向を理解した上で、その能力を最大限に発揮できる部署や役割に配置することです。これにより、従業員は自身の強みを活かせる仕事にやりがいを感じ、モチベーションの向上につながります。
人員配置の最適化は、具体的に以下の効果をもたらします。
| 効果 | 説明 |
| 従業員のモチベーション・定着率向上 | 適材適所な配置により、従業員は仕事への満足度を高め、エンゲージメントが向上します。これにより、早期退職のリスクが低減し、結果として定着率の向上に貢献します。 |
| 業務効率化・生産性向上 | 各従業員の強みが活かされることで、チーム全体のパフォーマンスが向上し、業務効率化や生産性向上につながります。 |
| 採用コスト・人件費の削減 | 従業員の定着率が上がることで、採用や育成にかかるコストを削減できます。また、適切な配置により、余剰人員の発生を防ぎ、人件費の最適化も期待できます。 |
人員配置を最適化する際には、従業員の客観的なデータ(スキル、経験、資格など)に基づき、経営戦略や組織の課題と照らし合わせながら進めることが重要です。また、一方的な配置ではなく、従業員の意向を丁寧にヒアリングし、納得感を得ながら進めることで、より効果的な人員配置が実現できるでしょう。
ワークライフバランスの推進
昨今、従業員の定着率向上において、「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)」の推進は、企業にとって不可欠な要素となっています。これは、単に労働時間を削減するだけでなく、従業員一人ひとりが仕事と私生活の両方を充実させ、持続的に意欲を持って働ける環境を整備することを目指す考え方です。
ワークライフバランスを推進する具体的な取り組みとしては、以下のようなものが挙げられます。
| 取り組み内容 | 具体例 |
| 柔軟な勤務制度の導入 | フレックスタイム制度、短時間勤務制度、テレワーク・在宅勤務の導入 |
| 長時間労働の是正 | 「ノー残業デー」の設定、残業の事前申請制、休日出勤・深夜残業の制限 |
| 育児・介護支援の充実 | 育児休暇・介護休暇の取得促進、男性の育児参加支援、両立支援制度の整備 |
| 業務効率化による時間創出 | ITツールの活用、業務プロセスの見直し、タスク管理の徹底 |
これらの取り組みを通じて、従業員は自身のライフスタイルに合わせて柔軟に働き方を選択できるようになります。その結果、心身の健康維持、育児や介護との両立支援、そして何よりも仕事へのエンゲージメント向上につながり、結果として定着率の向上に大きく貢献することが期待されます。
コミュニケーションの活性化と良好な人間関係の構築
良好な人間関係は、従業員一人ひとりの幸福度を高めるだけでなく、組織全体の生産性向上やエンゲージメント向上にも不可欠です。そのためには、日頃からのコミュニケーション活性化と、その基盤となる良好な人間関係の構築が重要となります。
具体的には、以下の点が挙げられます。
- 相手の話を積極的に聞く: 相槌を打ったり、質問を投げかけたりすることで、相手の考えや感情を深く理解し、信頼関係を築くことができます。
- 質問や意見を適切に述べる: 開放的な質問や、相手への敬意を払った意見表明は、相互理解を深めるきっかけとなります。
- 自己開示と共感的理解: 自身の考えや感情を適切に伝えること、そして相手の立場に立って気持ちを理解し、寄り添う姿勢が、より深い関係性を育みます。
- 約束の遵守と誠実な態度: 日頃の言動に責任を持ち、約束を守ることは、信頼関係の基盤となります。ミスをした際にも誠実な対応を心がけることが大切です。
- 相手の価値観や行動特性の理解: 相手の考え方や行動パターンを尊重し、理解しようと努めることで、柔軟な対応が可能になります。
- 肯定的な態度: 相手の良いところを認め、前向きな言葉がけをすることで、ポジティブな関係性を築きやすくなります。
これらの要素を意識し、日々の業務や交流の中で実践していくことが、組織内のコミュニケーションを活性化させ、より強固な人間関係を構築することにつながります。
エンゲージメント向上施策の実施
従業員エンゲージメントを高めるためには、具体的な施策の実施が不可欠です。エンゲージメントとは、従業員が企業の目標や価値観に共感し、自発的に貢献しようとする意欲のことです。これを向上させることで、生産性の向上や離職率の低下といったメリットが期待できます。
エンゲージメント向上に効果的な施策は多岐にわたりますが、ここでは代表的なものをいくつかご紹介します。
| 施策例 | 内容 |
| 企業理念・ビジョンの浸透 | 従業員が会社の目指す方向性を理解し、共感することで、組織への帰属意識や貢献意欲を高めます。 |
| 社内コミュニケーション活性化 | 部署間や従業員間の円滑なコミュニケーションは、信頼関係の構築や一体感の醸成に繋がります。定期的な交流イベントや情報共有ツールの活用などが有効です。 |
| 評価制度の整備 | 公平で透明性のある評価制度は、従業員の努力や成果が正当に評価されているという認識を生み、モチベーション向上に繋がります。 |
| 従業員の成長支援 | スキルアップのための研修機会の提供や、キャリアパスの提示は、従業員の成長意欲を刺激し、企業へのエンゲージメントを高めます。 |
| ワークライフバランスの確保 | 柔軟な働き方の導入や、長時間労働の是正は、従業員の心身の健康を保ち、仕事への意欲を維持するために重要です。 |
これらの施策を単発で終わらせるのではなく、継続的に実施し、従業員の反応を見ながら改善していくことが、エンゲージメントの持続的な向上に繋がります。
オンボーディングプロセスの強化
オンボーディングは、新入社員が早期に組織に馴染み、戦力として活躍するための継続的な支援プロセスです。このプロセスを強化することで、新入社員の定着率向上に大きく貢献します。
オンボーディングは、一般的に以下の5つのステップで構成されます。
| ステップ | 内容 |
| プレ・ボーディング | 入社前に内定者の不安を解消し、入社への期待感を高める。企業文化や組織情報の事前共有。 |
| オリエンテーション | 入社当日~1週目。組織の一員としての実感を醸成し、業務初期準備を整える。会社概要、ルール説明、関係者との顔合わせ。 |
| トレーニング | 1週間目~1ヶ月目。OJTを中心に、職務に必要な知識・スキルを習得。メンターやトレーナーによるサポート、定期面談。 |
| 実務への統合とフォローアップ | 1ヶ月目~3ヶ月目。OJTで得た知識・スキルを活かし、日常業務で組織への統合を図る。達成可能な目標設定、多角的なサポート。 |
| 成果確認と継続的な育成 | 3ヶ月目以降。目標達成度やパフォーマンスの評価・フィードバック。継続的な育成計画の策定・実行。 |
これらのステップを計画的に、かつ丁寧に進めることが重要です。特に、人事部門、上司、現場社員がそれぞれの役割を明確にし、連携して新入社員をサポートしていく体制を構築することが、オンボーディング成功の鍵となります。
まとめ
本記事では、定着率の基本的な定義から、その計算方法、そして定着率を向上させるための具体的な7つの方法について解説しました。まずはコストのかからない『コミュニケーションの活性化』や『期待役割の共有』から始めるとよいでしょう。
近年、労働人口の減少や採用競争の激化を背景に、優秀な人材を確保・維持することが企業の持続的な成長に不可欠となっています。定着率の向上は、採用・教育コストの削減、生産性の向上、組織力の強化といった多岐にわたるメリットをもたらします。
定着率が低い場合、その原因は労働環境、給与・評価制度、業務内容とのミスマッチ、人間関係など、多岐にわたります。これらの原因を特定し、本記事でご紹介したような労働環境の改善、評価制度の見直し、ワークライフバランスの推進、コミュニケーション活性化、オンボーディングプロセスの強化といった施策を、自社の状況に合わせて適切に実施することが重要です。
定着率の向上は、単に従業員が長く働き続けるというだけでなく、従業員一人ひとりのエンゲージメントを高め、組織全体の活性化へと繋がります。ぜひ、本記事の内容を参考に、自社の定着率向上に取り組んでみてください。
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