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コア業務とは?ノンコア業務との違いと効率化のポイント

近年、働き方改革やDX推進が叫ばれる中で、企業の生産性向上や業務効率化は喫緊の課題となっています。

しかし、日々の業務に追われる中で、「どの業務に注力すべきか」「どの業務を効率化すべきか」といった判断基準が曖昧になっている企業も少なくありません。特に、利益に直結しないノンコア業務に多くの時間やリソースが割かれている状況は、経営資源の無駄遣いとなりかねません

本記事では、企業の成長と競争力強化に不可欠な「コア業務」と、それを支える「ノンコア業務」について、その定義や違いを明確に解説します。さらに、ノンコア業務を効率化・削減するための具体的な方法として、アウトソーシングやシステム導入、マニュアル化など多角的なアプローチをご紹介します。

この記事を読むことで、自社の業務を明確に分類し、経営資源をコア業務に集中させるための具体的なアクションプランを立てられるようになります。ぜひ、貴社の持続的な成長と生産性向上にお役立てください。

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コア業務は「企業の利益に直結する業務」のこと

企業の持続的な成長と競争力強化には、限られた経営資源をどこに集中させるかが非常に重要です。その中で「コア業務」とは、企業価値の向上と利益創出に直接的に貢献する、事業活動の中核を担う業務を指します

コア業務の主な特徴

コア業務は、企業の存続と成長に不可欠な業務であり、いくつかの特徴を持っています。具体的には、以下のような点が挙げられます。

  • 利益に直結する:企業の売上や利益を直接生み出す活動であり、企業価値向上に大きく貢献します。
  • 専門性・難易度が高い:高度な知識やスキル、経験に基づいた判断が求められるため、業務の難易度が高い傾向にあります。
  • 非定型的である:型が決まっていないため、マニュアル化やルーティンワーク化が難しいことが特徴です。そのため、個々の判断や創造性が求められます。
  • 企業活動の根幹をなす:事業内容や事業環境の特殊性、人材配置など、様々な要素が絡み合い、企業の競争力や成長戦略に深く関わります。

これらの特徴から、コア業務にはヒト・モノ・カネといった経営資源が集中的に投下される傾向があります。

コア業務の具体例

コア業務は、職種や組織体制、ビジネスモデルによって多岐にわたります。ここでは、主な職種におけるコア業務の具体例をご紹介します。

営業:新規顧客開拓、重要顧客への提案・交渉

営業におけるコア業務は、企業の売上や利益に直結する活動であり、特に「新規顧客開拓」と「重要顧客への提案・交渉」が挙げられます

新規顧客開拓とは、まだ取引のない企業や個人に対して、自社の商品やサービスを提案し、契約につなげる営業活動です。これは企業の成長と存続に不可欠なプロセスであり、市場シェアの拡大、売上の増加、そしてリスク分散に貢献します。

既存顧客への依存は、売上不安定化のリスクを伴うため、新規顧客を継続的に獲得し、安定した収益基盤を構築することが重要です。

一方の重要顧客への提案・交渉は、既存顧客との良好な関係を維持・発展させ、アップセルやクロスセルに繋げるための活動です。顧客のニーズを深く理解し、それに応えるための付加価値の高い提案を行うことが求められます。

これにより、顧客満足度を高め、長期的な信頼関係を構築し、安定した収益基盤を強化します。この活動もまた、企業の売上と利益に直結する重要なコア業務と言えます。

開発:新製品・サービスの企画・開発、技術研究

開発部門におけるコア業務は、企業の未来を創造し、競争力を高めるための重要な活動です。具体的には、新製品やサービスの企画・開発、そしてそれらを支える技術研究が挙げられます。

特に、以下のような活動は、企業の根幹を成すコア業務と位置づけられます。

【新製品・サービスの企画・開発】

  • 市場ニーズの把握と、それに基づいた新たなコンセプトの創出
  • 革新的な技術やアイデアを具体的な形にするための設計・試作
  • 競合優位性を確立するための機能・性能の追求

【技術研究】

  • 将来の製品化を見据えた基礎研究(新しい知識や法則の発見)
  • 実用化に向けた応用研究(基礎研究の知識を活用し、技術を見つけ出す)
  • 既存製品の改良や新製品導入のための開発研究(具体的な製品化を目指す)

これらの活動は、企業の成長戦略において不可欠であり、専門性と創造性が高く求められます。

研究開発は、短期的な利益に直結しない場合もありますが、中長期的な視点で見れば、企業の持続的な競争優位性を確立し、新たな市場を切り開くための源泉となります。

製造:生産ラインの改善、品質管理の高度化

製造業におけるコア業務は、製品の生産効率を高め、品質を安定させるための活動です。具体的には、生産ラインの「ムリ」「ムダ」「ムラ」を削減し、5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を推進することで、生産効率を最大化します。

デジタル技術の活用は、これらの改善活動をより早く、精度高く実現するための手段となります。

また、品質管理の高度化も重要なコア業務です。製品の機能性、使いやすさ、安全性、デザインといった「製品の品質向上」に加え、正確性、効率性、安全性、一貫性といった「作業の品質向上」も含まれます。

品質向上には、組織全体で取り組む必要があります。

例えば、誰が見ても理解しやすい動画マニュアルの作成による作業標準の遵守、フールプルーフ(ヒューマンエラー防止)の導入、帳票の電子化による異常の自動検知、4M(Man, Machine, Material, Method)変更時の適切な対策などが挙げられます。

これらの活動を通じて、不良品の発生を未然に防ぎ、顧客に提供する価値を高めることが、製造業のコア業務の中核をなします。

マーケティング:戦略立案、ブランド構築

マーケティングにおけるコア業務は、企業の成長を左右する戦略的な活動です。特に「戦略立案」と「ブランド構築」は、利益に直結し、企業の長期的な競争力を高める上で不可欠な業務と言えます。

【戦略立案】

市場調査に基づいたターゲット顧客の明確化、競合との差別化ポイントの特定、そして具体的なプロモーション計画の策定などが含まれます。これは単に「売れる仕組み」を作るだけでなく、「売れ続ける仕組み」を構築するための根幹となります。

【ブランド構築】

「企業や商品・サービスが顧客にどのようなイメージを持ってもらいたいか」を明確にし、それを実現するための方針や施策を体系的に設計する活動です。単なるロゴやデザインに留まらず、以下の要素を通じて顧客との感情的な結びつきを深めます。

  • ブランド戦略:どのようなブランドイメージを形成したいか、その設計図となる「計画・方針」
  • ブランディング:戦略に基づき、実際にブランドイメージを伝え、定着させていく「実行プロセス」

これらを通じて、企業は他社との差別化を図り、顧客との関係性を強化し、持続的な成長を実現します。

ノンコア業務はコア業務を支える周辺業務

ノンコア業務とは、企業が事業活動を円滑に進める上で不可欠でありながら、企業の収益に直接結びつかない周辺業務全般を指します。コア業務が企業の「心臓部」であるならば、ノンコア業務はその「心臓部を支える血管」のような存在です。

ノンコア業務の主な特徴

ノンコア業務は、企業の利益に直接結びつかないものの、コア業務を円滑に進めるために不可欠な業務です。主な特徴として、以下の点が挙げられます。

  • 定型的な作業が多い
    書類作成やデータ入力、備品管理など、一定のパターンで繰り返されるルーチンワークが中心です。マニュアル化しやすく、特定の専門知識を必要としない場合が多いです。
  • 専門性や難易度が比較的低い
    高度な判断や複雑な分析を要するケースは少なく、比較的習得しやすい業務が多い傾向にあります。
  • 属人化しやすい
    ルーチンワークであるため、特定の担当者が独自のノウハウで業務を進め、他のメンバーに共有されていない「属人化」が起こりやすい特性があります。これにより、担当者の不在時に業務が滞るリスクがあります。
  • バックオフィス業務に多い
    経理、総務、人事、情報システムといったバックオフィス部門の業務全般に多く見られます。

これらの特徴から、ノンコア業務は効率化や外部委託(アウトソーシング)の対象として検討されやすいといえます。

ノンコア業務の具体例

ノンコア業務は、企業の利益に直接結びつかないものの、コア業務を円滑に進めるために不可欠な周辺業務です。多岐にわたりますが、一般的に以下の業務が該当します。

部門具体的なノンコア業務例
事務書類作成・整理、データ入力、電話・メール対応、来客応対
経理請求書発行、経費精算、記帳、給与計算、社会保険手続き
総務備品管理、施設管理、社内イベント企画・運営、社内システムへのデータ入力
人事・採用採用関連の付随業務(日程調整、連絡)、入社・退社手続き
その他会議室設定、資料印刷、情報収集、SNS運用

これらの業務は定型的な内容が多く、マニュアル化やシステム導入、外部委託によって効率化しやすい特徴があります

コア業務とノンコア業務の違い

コア業務とノンコア業務の最も大きな違いは、「企業の利益に直結するかどうか」という点にあります。

コア業務は企業価値向上に直接貢献する活動であり、専門性や高い判断力を要する非定型的な業務が多いのが特徴です。

一方、ノンコア業務はコア業務を支援し、企業の円滑な運営を支える役割を担いますが、直接的な利益には結びつきません。定型的で標準化しやすい業務が多く、マニュアル化や外部委託が比較的容易です。

具体例1:営業担当者の顧客への提案活動(コア)と、そのための移動時間管理(ノンコア)

営業活動におけるコア業務とノンコア業務の区分は、売上への直結度合いと専門性の有無によって明確に分かれます。

【コア業務:顧客への提案活動】

営業担当者が顧客に対して製品やサービスを提案し、商談を進める活動は、企業の売上に直接貢献する最も重要なコア業務です。これには、顧客のニーズを深く理解し、最適なソリューションを提示する高度なコミュニケーション能力や専門知識が求められます。

【ノンコア業務:移動時間管理や事務作業】

一方で、顧客訪問のための移動時間管理や、見積書・請求書の作成、日報入力、名刺情報のシステム入力といった事務作業はノンコア業務に分類されます。これらの業務は営業活動を円滑に進めるために不可欠ですが、直接的に売上を生み出すものではなく、定型化や効率化が可能です。

営業担当者がこれらノンコア業務に時間を取られすぎると、本来注力すべきコア業務である顧客との対話や提案活動に十分な時間を割けなくなってしまいます。

ノンコア業務を効率化することで、営業担当者は顧客への提案やフォローといったコア業務に集中でき、結果として顧客満足度や売上の向上に繋がるでしょう。

具体例2:エンジニアの製品開発(コア)と、開発環境のPC設定(ノンコア)

エンジニアにとってのコア業務は、新製品やサービスの企画・開発、既存製品の改善、技術研究など、直接的に企業の価値創造に繋がる業務です。例えば、Webアプリケーションの開発、ゲーム開発、AI開発などがこれにあたります。

これらの業務は高度な専門知識と非定型的な思考が求められ、企業の競争力を左右する重要な活動です。

一方で、ノンコア業務は、これらの開発活動を円滑に進めるための周辺業務を指します。具体的には、開発環境のPC設定やソフトウェアのインストール、OSのアップデート、利用している開発ツールの動作確認などが該当します。

これらは開発作業そのものではなく、作業環境を整えるための定型的な作業であり、必ずしも高度な専門性を必要としません。

ノンコア業務であるPC設定の例としては、以下のようなものがあります。

  • OSの選択: 多くの開発で汎用性の高いWindows OSの選択
  • CPUの選定: Webサービス開発ならCore i5、ゲーム・AI開発ならCore i7以上
  • メモリ容量の確保: 一般的な開発で8GB以上、画像処理や仮想環境では16GB以上

これらのPC設定は、開発の効率を左右しますが、直接的な価値創造には繋がらないため、可能な限り効率化・標準化を進めることで、エンジニアが本来のコア業務である製品開発に集中できる環境を整えることが重要です。

なぜノンコア業務の削減・効率化が重要なのか

企業の持続的な成長と競争力強化のためには、限られた経営資源を最も効果的に活用することが不可欠です。ノンコア業務に多くの時間と人的リソースを割いていると、本来企業価値の向上に直結するコア業務に集中できなくなります。

ノンコア業務を効率化・削減することで、社員はより付加価値の高い業務に注力できるようになり、結果として企業全体の生産性向上と業績アップに繋がるのです。

コア業務への経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の集中

ノンコア業務を効率化・削減することで、企業は限られた経営資源をコア業務に集中させることが可能になります。

経営資源とは、事業活動を行う上で必要となる「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つを指します。これらを最適に配分することは、企業の成長に大きく影響します。

経営資源具体例コア業務集中による効果
ヒト人材優秀な人材を戦略的な業務に配置し、専門性を高める
モノ設備、不動産利益に直結する設備投資や、生産性向上に繋がる環境整備
カネ資金研究開発や新規事業への投資を強化し、成長を加速
情報顧客データ、市場動向意思決定の質を高め、競争優位性の源泉とする

これらの経営資源をコア業務に集中させることで、企業はより大きな成果を生み出し、競争力を高めることができます。

生産性・業務効率の向上

ノンコア業務の削減・効率化は、企業全体の生産性向上に直結します。

業務効率化とは、現状の非効率な業務から無駄な部分を排除し、効率的に改善していくことです。これにより、少ない工数で最大の成果を目指すことが可能になります。

生産性向上は、投入資源(インプット)に対して生み出される生産物(アウトプット)の割合を高めることを指します。具体的には、次の2つの状態を目指します。

  • 投入資源の最小化:何かを生産するために投入する資源を減らす
  • 生産物の最大化:投入した資源で生産する生産物を増やす

業務効率化は、この「投入資源の最小化」を実現するための重要な施策の一つです。

例えば、定型業務をシステムで自動化したり、無駄な承認プロセスを削減したりすることで、従業員はより価値の高い業務に時間を割けるようになります。結果として、限られた時間とリソースの中で、より多くの価値を生み出すことができるようになるため、企業全体の生産性が向上するのです。

従業員のモチベーション向上と働きがいのある環境整備

ノンコア業務の削減・効率化は、従業員のモチベーション向上と働きがいのある環境整備にも大きく貢献します。

定型的な業務や繰り返し作業が多いノンコア業務は、従業員にとって単調で負担に感じやすく、本来の専門性を活かせない状況を生み出すことがあります。

このようなノンコア業務を効率化することで、従業員は以下のようなメリットを享受できます。

  • コア業務への集中: 自身の専門知識やスキルを活かせる業務に時間を割けるようになり、仕事への達成感や貢献意欲が高まります。
  • スキルアップと成長機会の増加: 新しい知識や技術の習得、より創造的な業務への挑戦が可能になり、個人の成長を促進します。
  • ストレスの軽減とワークライフバランスの改善: 定型業務の負担が減ることで、長時間労働やストレスが軽減され、心身の健康維持につながります。

働きがいのある会社では、社員の「やりたい」「チャレンジ」がサポートされる傾向にあります。

ノンコア業務の効率化は、従業員がこのようなチャレンジに時間を費やし、仕事そのものから内発的なモチベーションを得る機会を創出します。これにより、従業員のエンゲージメントが高まり、企業全体の生産性向上や離職率の低下にも繋がります。

企業競争力の強化と持続的な成長

ノンコア業務を効率化し、コア業務に経営資源を集中させることは、企業の競争力を高め、持続的な成長を実現するために不可欠です。現代のビジネス環境は不確実性が高く、企業は常に変化に対応し、新たな価値を創出していく必要があります。

特に日本企業においては、現状のビジネスを継続した場合、10年後に経済的に存続できないと回答したCEOが72%に上るという調査結果もあり、変革への強い危機感が見られます。

また、資本コストを意識した経営が求められる中で、企業は短期的な財務成果だけでなく、中長期的な企業価値向上に取り組む必要があります。

人的資本経営の視点からも、社員のスキルや知識を最大限に活かし、イノベーションを促進することで、企業の競争力は向上します。コア業務への集中は、企業が市場での優位性を確立し、社会的な価値を高めるための基盤となるのです。

自社の業務をコア業務とノンコア業務に分類する方法

自社の業務をコア業務とノンコア業務に分類する際は、以下のステップで進めることが重要です。

1. 業務棚卸しの実施:現状の全業務を洗い出す

まず、部署や担当者ごとに、日々のルーティン作業から大規模なプロジェクトまで、全ての業務をリストアップし、可視化します。

その際、業務の難易度、必要なスキル、頻度、担当者、所要時間などを細かく記録することで、現状の課題や改善点を明確にできます。

2. 分類基準の設定と分類のポイント

洗い出した業務を、以下の基準で見極め、分類します。

業務内容定義コア・ノンコアの分類
感覚型高度な知識や経験に基づき、都度判断が必要な不確実性の高い業務コア業務
選択型ある程度の知見は必要だが、条件に応じて手順を選択して行う業務ノンコア業務
単純型手順が明確化されており、方法さえ知っていれば誰でも行える業務ノンコア業務

この分類では、企業理念や経営ビジョンに基づく「To be像(理想とする姿)」を意識し、自社が今注力すべき業務を明確にすることがポイントです。これにより、現状と理想のギャップを把握し、目標達成に向けた適切なアクションを検討できます。

ノンコア業務を効率化・削減する具体的な方法

ノンコア業務を効率化・削減するための具体的なアプローチは多岐にわたります。

社の状況や業務内容に合わせて最適な方法を選択することが、コア業務へのリソース集中と企業全体の生産性向上に繋がります

人材派遣の活用

ノンコア業務の効率化・削減には、人材派遣の活用が有効な手段の一つです。

人材派遣とは、派遣会社が雇用する派遣社員を、必要な期間・スキルに応じて企業に派遣するサービスを指します。これにより、企業は以下のメリットを享受できます。

【人材派遣のメリット】

  • 必要な時に必要なスキルを持つ人材の確保: 繁忙期の一時的な増員や、専門性の高い業務への対応など、企業のニーズに合わせて柔軟に人材を確保できます。
  • 人材確保のコスト・工数削減: 採用活動にかかる募集・選考・教育などの手間やコストを削減できます。
  • 労務管理の負担軽減: 給与計算や社会保険手続きなどは派遣会社が行うため、企業の労務管理負担が軽減されます。

【人材派遣に適したノンコア業務の例】

  • 一般事務、営業事務、経理事務、人事労務事務
  • データ入力、書類作成、ファイリング
  • コールセンター業務
  • ITサポート、ヘルプデスク

人材派遣には、有期雇用派遣と無期雇用派遣の2種類があります。

有期雇用派遣は一般的に「派遣」と呼ばれる形態で、期間を定めて雇用契約を結びます。一方、無期雇用派遣は、派遣会社と派遣社員が期間の定めのない雇用契約を結ぶため、より長期間の活用が可能です。

自社のニーズに合わせて適切な形態を選択し、ノンコア業務の効率化を図りましょう。

アウトソーシング(BPO:Business Process Outsourcing)の活用

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、企業活動における業務プロセスの一部を、企画・設計から実施まで含めて専門業者に一括で外部委託することです。単なる業務代行ではなく、業務全体の最適化を目指す点が特徴です。

【BPOのメリット】

BPOを活用することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 経営資源のコア業務への集中: ノンコア業務を外部に任せることで、自社の貴重な人材や資金を、利益に直結するコア業務に集中させられます。
  • コスト削減と固定費の変動費化: 専門業者に委託することで、人件費や教育費などの固定費を削減し、業務量に応じた変動費に転換できます。
  • 業務品質の向上: 専門性の高い外部企業に委託することで、自社よりも優れた業務品質や効率を実現できる場合があります。
  • 人材不足の解消: 少子高齢化による労働人口減少や、専門知識を持つ人材の不足といった課題に対し、外部の専門家を活用することで対応できます。
  • 教育リソースの圧縮: 採用や教育にかかる社内リソースを削減できます。

【アウトソーシングに適したノンコア業務の例】

BPOは、人事・総務・経理などの間接業務、コールセンター業務、IT関連業務(システム設計・開発、Web制作)、物流業務などに広く活用されています。

システム・ツールの導入による自動化・効率化

ノンコア業務の効率化には、システムやツールの導入が非常に有効です。

RPA(Robotic Process Automation)に代表される自動化ツールは、定型的なデータ入力やリスト更新といった反復作業をスピーディーかつ正確に処理します。これにより、従業員はより付加価値の高いコア業務に集中できるようになり、企業全体の生産性向上が期待できます。

具体的には、以下のようなツールがノンコア業務の効率化に貢献します。

  • RPAツール: 定型業務の自動化。データ入力、レポート作成、システム間のデータ連携など。
  • コミュニケーションツール: 連絡・日程調整・ファイル共有。チャットツールやビデオ会議システムなど。
  • ペーパーレス化ツール: 電子文書の作成・編集、電子署名。経費精算や契約書の電子化など。
  • タスク・プロジェクト管理ツール: タスクやプロジェクトの計画、追跡、管理。進捗状況の可視化。

これらのツールは、人的ミスの削減、作業時間の短縮、コスト削減に繋がり、多様な働き方を実現するためにも不可欠です。導入に際しては、自社の課題や目的に合ったツールを選定し、適切なサポート体制のもとで運用することが重要です。

業務プロセス見直しとマニュアル化・標準化

ノンコア業務の効率化には、業務プロセスを見直し、マニュアル化・標準化を進めることが不可欠です。

まずマニュアル化とは、特定の業務について「誰が担当しても同じ手順や効率で作業できるように手引きを作成すること」を指します。単に手順書を作るだけでなく、全員がそのマニュアルに沿って業務を行い、同じ効率で業務を遂行できる状態が重要です。

これにより、個人の技量に依存しない業務体制を構築できます。

次に、標準化は、マニュアル化のさらに一歩進んだ取り組みです。「誰が担当しても一定の品質と効率で業務を遂行できるように、最適な手順、ルール、判断基準などを設定し、組織全体で共有・実践する体系的な取り組み」を指します。

標準化により、以下のメリットが期待できます。

  • 業務品質の一貫性・向上
  • 属人化の防止・解消
  • 引き継ぎや新人教育の円滑化
  • 不測の事態への対応力強化

標準化は一度行ったら終わりではなく、定期的に見直しと改善を継続することで、常に最適な業務プロセスを維持できます。

まとめ

本記事では、企業の持続的な成長と生産性向上に不可欠な「コア業務」と「ノンコア業務」の概念について深く掘り下げてきました。

改めて、それぞれの業務のポイントをまとめます。

  • コア業務: 企業の利益に直結し、競合優位性の源泉となる専門性が高く非定型的な業務
  • ノンコア業務: コア業務を支援する定型的で反復性のある業務

ノンコア業務の効率化は、単なるコスト削減に留まらず、企業の経営資源を真に価値を生み出すコア業務に集中させるための重要な戦略です。

業務棚卸しを通じて自社の業務を明確に分類し、アウトソーシング、システム導入、マニュアル化といった具体的な施策を実行することで、生産性の向上、従業員のモチベーション向上、ひいては企業競争力の強化へと繋がります。

貴社が持続的な成長を遂げるために、ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、具体的なアクションプランの策定・実行にお役立てください。

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